「なんでそんなに色んなブキが使えるの?」ワーキングメモリートレーニングの正しい鍛え方と活用法について
どうもこんにちはリアンです。
今回はワーキングメモリーの鍛え方について解説したいと思います。
ワーキングメモリーとはなんぞや?という方は以前私が投稿した、
「ゲームは所詮才能?どうやったらうまくなれるの?」科学が証明している全てのゲームの上達に関係する能力向上についてのお話
https://riannbunnseki.hatenablog.com/entry/2020/09/05/174458
にて記述したので、そちらを参照してください。
1.ワーキングメモリーを鍛えると何ができるの?
これまでのワーキングメモリトレーニングは、あらゆる高次認知課題に通用する能力を高めようとする方法でした。
要するにわかりやすくいうと、国語の勉強をしたからといって、算数の成績はあがらないし、英語の勉強をしたからと言って、社会の成績はあがらない。しかし、ワーキングメモリーを鍛えると、国語も算数も英語も社会も成績があがりますよ!ということですね。
このワーキングメモリーはゲームの能力を鍛えるにも効果的だ!という確証はありませんが、これらの論文の記述による、高次認知課題に通用する能力を高める、という意味では、様々なジャンルの対戦ゲームにも活用できるかもしれませんね!また、スプラトゥーンで例えると、様々なブキが存在すると思います。それらのブキすべてを扱う上で長ける存在になるかもしれませんね!私の友人にもいますが、何のブキ使ってもある程度使える人っていませんか?ああいう人はひょっとすると、このワーキングメモリーの能力が高いのかもしれませんね!
しかし近年ではこのワーキングメモリーのトレーニングにいくつかの否定的な意見もあり「ワーキングメモリトレーニングには実効性があまりないんじゃないの?」と言われております。
例えばこれはトレーニング手法の問題として挙げられていることですが、Rabipour氏とDavidson氏【1】による研究だと
トレーニング群に遠転移効果があったとしてもプラセボ効果である可能性が排除できない。一般社会での調査によると,認知トレーニングに効果があると期待する人が多いことが知られている。
と言われております。
プラセボ効果のプラセボとは偽薬の意味です。この効果を知らない人のために解説すると、偽者の薬だけど「これは効果のある薬ですよ!」と騙されて飲んだとしても、飲んだ本人が直ってしまう効果のことです。
なので、一般的なワーキングメモリートレーニングは本当は効果がないかもしれないけど、著名人がこれは効果がありますよ!と言っているから信じ、一部の人が効果があったからこれは正しいんだ!と言ってしまっているということですね。本当の効果は未知数なのにも関わらず。
またこれは2019年の京都大学の展望研究【2】による報告ですが、
ワーキングメモリトレーニングの最も大きな問題は,トレーニングに関する理論が欠如していることであり,トレーニングによって,知能のどの側面になぜ効果が現れるのか,検討がないままに研究が進められてきた。
とされております。
要するにまだ研究の段階で、実証されていない物が出回ってしまっているということですね。
2.じゃあ正しいワーキングメモリーのトレーニングってなんなの!?
世の中間違っている情報が出回っている中で、もちろん効果が高いであろう正しい情報も、もちろんあります。
これはReder氏ら【3】による研究だが、
アメリカ人大学生に中国語を学習してもらったところ,学習が進むにつれ,中国語を使ったNバック課題の成績が向上することを示した。このことから,長期記憶されている情報は,新規の情報に比してワーキングメモリのリソース消費量を少なくできると提案している。
要するに、過去に学習したことをもう一回学習する場合、ワーキングメモリーを使わなくてすみ、スムーズに学習することができるということですね。これは確かに当然と言えば当然ですね。一から勉強をするよりも、過去に習っていて忘れてしまったことを思い出す勉強のほうが疲れないですから。
しかし、もっと具体的にどうすればワーキングメモリーを鍛えられるかというと、
これはWong氏ら【4】による研究ですが、
学習者が他者に説明することや質問を考えることによって,意味が精緻化され長期記憶への定着が進む
要するに覚えたことを忘れたくないなら、人に教えるつもりで学習する必要があるということですね。
そしてこれはMcCabe氏【5】による研究ですが、
情報の想起を繰り返すと学習がさらに進むため,テキストを何度か読む,定期的にテストすることも効果的である
という風に記述されています。
これらをまとめると
1.最初から他人に説明するつもりで頭の中に知識を入れる。
2.一回きりの学習ではなく、何回か復習し、その後テストも行う。
ということですね。
正直他にも一度にたくさん頭に情報を入れるより、細かく時間を分けて頭に入れる分散学習というものが良いそうですが、その他の世の中に出回っている学習法は間違っているとは言えませんが、はっきりと成果が出る!とも言い切れないということですね!
ただ、例えプラシボ効果であったとしても、自分の能力が上がったのであればそれでかまわないので、とりあえず色々試してみるのもいいかもしれません!
本投稿の結論として、以上の方法で日々ワーキングメモリーを鍛えておけば、様々なジャンルやそのゲーム内のブキにも他の人よりも早く扱えるようになるのでは?ということです。
今回は以上となります。
また、当ブログでは他にも、
「あ~もう仕事忙しい!ゲームできねぇ!」という口癖が日常の貴方に圧倒的生産性事例を元に改善案を提案してみた!
https://riannbunnseki.hatenablog.com/entry/2020/05/08/113304
「キッズムーブうざ!」味方の稚拙プレイにイライラするなら子育てママの怒りをコントロール手法を使ってイライラを回避しよう!
https://riannbunnseki.hatenablog.com/entry/2020/05/08/101403
貴方が真にゲームがうまくならないのはこれが原因かも?セルフ・アクセプタンスを理解し超集中力を手に入れよう!
https://riannbunnseki.hatenablog.com/entry/2020/05/06/132043
「動画見ても全然活かせない!上達しない!」と悩む方必見!思考を整理する方法紹介!
https://riannbunnseki.hatenablog.com/entry/2020/05/03/175013
等、本による知識を対戦ゲームでの応用方法について解説しているので、興味のある方はご覧ください。
本投稿が貴方の快適なゲームライフの一助になれば幸いです。
閲覧ありがとうございました。
さようなら~
参考文献:
【1】Rabipour, S., & Davidson, P. S. (2015). Do you believe in brain training? A questionnaire about expectations of computerized cognitive training. Behavioural Brain Research, 295, 64–70
【2】坪見, 博之; 齊藤, 智; 苧阪, 満里子; 苧阪, 直行(2019),ワーキングメモリトレーニングと流動性知能 --展開と制約--,
【3】Reder, L. M., Liu, X. L., Keinath, A., & Popov, V. (2016). Building knowledge requires bricks, not sand: The critical role of familiar constituents in learning. Psychonomic Bulletin & Review, 23, 271–277.
【4】Wong, R. M. F., Lawson, M. J., & Keeves, J. (2002). The effects of self-explanation training on students’ prob-lem solving in high-school mathematics. Learning and Instruction, 12, 233–262
【5】McCabe, J. (2011). Metacognitive awareness of learning strategies in undergraduates. Memory & Cognition, 39, 462–476.